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洗顔の化粧文化史

 

第12回 メークが変える、洗顔。

突然ですが、洗顔料は何をポイントに選んでいますか? 肌質に合っていることの他にも、汚れ落ち、使用感などさまざまなことに気を配っていますよね。

特に気をつけるのはメーク汚れがしっかり落ちるかどうかでは。バッチリメークにはオイルタイプ、軽めメークにはミルクタイプと、メークの種類によって洗顔料を使い分けるのは、今では基本的なこと。そんな考えが生まれたのは昭和20年代、ベースメークの進化がその起因となっています。

戦前の基本ベースメークは、無脂肪性のクリームを塗った上に粉白粉をはたくという肌への負担が軽いもの。それが戦後、多くの女性たちが再び社会に出るようになると“より手間がかからず長持ちするベースメーク”がニーズとなって、昭和23年、日本ではじめて油性のクリームファンデーションが発売されます。昭和25年にはスティックタイプの油性ファンデーションが大ヒット。ファンデーションを日常的に使うことがあたりまえに。油性ファンデーションを使うと、従来の石鹸や洗い粉だけの洗顔ではすっきりと落ちたとはいえず、そこで、ファンデーションを落とすクレンジングクリームが登場。メークによくなじませふき取った後、さらに石鹸で洗うという、今ではおなじみの洗顔ステップがはじまります。
 ベースメークの進化が洗顔に新たな機能を求め、洗顔は新しい局面へと進展しはじめたのです。 

こうした状況が、昭和34年に発行された美容書『美容に関する108章』ではこう伝えられています。「水と石鹸で洗うばかりが洗顔ではありません。肌の弱い、あれやすい方や油性化粧をした後など、クレンジング・クリームを使うクリーム洗顔が適当です。夏でも肌がカサカサ荒れているような方はクリーム洗顔だけでもよいのですが、やはりこれでは完全な清潔は望めません。ですから、クリーム洗顔のあと、もう一度石鹸を泡立て石鹸洗顔をすれば完全です。」

ベースメークは簡単で崩れないほうがいい。そんな女心が新しいスタイルの洗顔を生む。洗顔の歴史って時代ごとに女性たちが絶えず進化させてきたともいえますね。

 
 

左)中)『美容に関する108章』/昭和34年
右)洗顔クリーム 新ネトワマンクリーム/昭和33年

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