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新・日本のやさしい化粧文化史

古代、化粧のはじまりから美白ブームの平成まで、日本の化粧の歴史・文化を辿るコンテンツです。

第45回 昭和時代〔戦前〕-4 自由に個性美を表現する化粧へ<スキンケア化粧法・化粧品>

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化粧品ポスター(御園クレーム)/伊東胡蝶園・昭和期

健康的な素肌を保つスキンケアは、昭和初期の女性たちにとっても重要なものでした。明治から大正時代に新しく登場した「洗顔」や「化粧水」「クリーム」などの近代美容が、一般層にまで浸透した時期です。明治時代に導入された欧米流のスキンケアは、徐々に日本人に合ったスキンケアへと消化され、昭和にはさらに一歩進んで、肌機能を知り、自分の肌に合うスキンケアへと進歩します。
当時の女性たちにとって、基礎のお手入れは現代美容と同じように欠かすことのできないものへとなっています。では、どのように昭和はじめの女性たちに受入れられていったのでしょうか。今回は「昭和時代(戦前)(1927-1945)のスキンケア 化粧法・化粧品」についてお話しましょう。

【1.多様化する洗顔スタイル】

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固形石鹸とは違うしっとりとした洗いあがりの感触が特徴。洗顔クレーム/ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)・昭和期

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ヘチマ洗粉/平野源七商店・昭和期

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モンココ洗粉/昭和期

まず、スキンケアの基本となる洗顔から見てみましょう。
伝統化粧の時代から女性たちに愛用されてきた洗粉や糠も継続して使われていましたが、この頃になると石鹸での洗顔が普及し定着していきます。 美容法を解説した美容特集号『婦人美容宝典』(主婦之友附録3月号/昭和9年)に洗顔の仕方や注意事項がていねいに書かれています。
「ぬるま湯でよく拭うとか、手ぬぐいなどでごしごし洗わないこと。石鹸ならば手につけて良く泡立てて、泡で脂肪の多い鼻の周りを洗ってから顔全体を洗う」とあり、「石鹸を使った方がいいのは脂肪性の肌の人、石鹸よりも糠や洗粉、洗顔クリームを使った方がいいのは無脂肪性の肌の人」と肌質によって洗顔料を選ぶことを勧めています。

さらに、「就寝前の洗顔」「湯や水を用いない洗顔」「化粧の落とし方」など、使用場面やメーク落としの観点からも、新しい発想の洗顔法を紹介。「就寝前には、白粉を落としてコールドクリームを擦り込んで寝るとしっとりとした美しい肌になる」、「急ぎや旅行などで湯や水を用いず簡単に洗顔する場合は、コールドクリームなどで汚れを拭き取った後で蒸しタオルで拭き取るとよい」などのアドバイスが提示されています。昭和戦前の新タイプの洗顔料としては、泡の立つ洗顔料でありながら脱脂しすぎず肌荒れしないという画期的な「クリーム状洗顔料」が開発、発売されています。

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