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やさしい日本髪の歴史 世界に誇る日本文化、日本髪についてのやさしい基礎講座です。

第十八回 髪型とファッション【遊女】

身分ごとに見てきた髪型とファッション。庶民、武家、公家ときて、締めくくりは遊女です。江戸時代に詳しくない人がみても、高位の遊女は一番見分けがつきやすい、そのくらい派手。武家の上品は華やかさとは違う、競うような豪華さが見事です。

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「風流七小町 関寺小町 鶴屋内大淀」
菊川英山 文化9年

右の浮世絵で簪(かんざし)に手をかけているのは、鶴屋内の大淀という最高位の遊女。髪飾りも着物も、まさに「絢爛豪華」という言葉がぴったりです。
髪は未婚女性の定番である島田髷に結い、べっ甲の櫛を二枚。このような二枚櫛(時には三枚櫛も!)は遊女特有の飾り方で、一枚は自分のため、他は客の髪を梳くためというのが、いつの間にか飾りになったということのようです。
髪にはさらにべっ甲製の簪を四対、計八本も挿しています。まるで仏様の後光のようですね。べっ甲の髪飾りはとても高価で、庶民の女性たちにとっては憧れの高級アクセサリー。べっ甲の櫛や簪を重ね付けできるのは、地位の高さを示すしるしなのです。
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着物は水草の一種花勝見(はながつみ)と菊模様、それに格子に花菱模様の帯を前でだらりと締めています。着崩した姿には、あけ抜けた雰囲気が漂いますね。
遊女にとって、着飾ることは単なるおしゃれではありませんでした。互いを格付けし合い、更にはステータスの高さを誇示するための手段として着飾ったのです。一見して豪華なよそおいですが、その内には、遊女として生きていく覚悟を持った女性の「凄み」が秘められています。

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