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やさしい日本髪の歴史 世界に誇る日本文化、日本髪についてのやさしい基礎講座です。

第十九回 江戸女性の髪型

髪を後ろに長く垂らしていた平安時代。家事や労働がしやすいように、髪を束ね始めた安土桃山時代。そして髪を結い上げて髷をつくり、髪型のバリエーションが一気に広がった江戸時代。ここまで、垂髪から始まり、結髪文化が花開くまでの髪型の変遷を見てきました。

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1786年のフランス女性のヘアスタイル

同じ時代、西洋でもドレスに合わせたゴージャスでボリュームのある髪型文化がありましたが、技巧的なものはかつらがほとんど。対して日本の女性たちは、長く伸ばした「地毛」であの芸術的ともいえる髷を結っていたのですから、豊かな黒髪への思いは大変なものです。
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天明の頃(1781〜1789)の髪型
「時代かがみ」楊州周延 明治29〜30年

立体的に結うため、髪を油で固めて強く引っぱり、髷の根元をギュッと結びます。そのため根元部分の髪がはげてしまう女性もいたとか。髪への負担は相当なものです。また、油のついた長い髪を洗うのも大変な手間。洗髪ができたのは月に1〜2回だけ。次に結うときまで髪型キープが鉄則でした。寝ても覚めても、髪型が乱れないように気をつける生活は、想像しただけで苦労が浮かびます。艶やかな黒髪で結い上げられた美しい日本髪は、江戸女性の努力と忍耐の賜物、女の執念さえ感じられます。
さて、次回から時代は明治に変わります。西洋文化の流入で、日本髪はどのように変化していったのでしょうか。次回の更新は9/4の予定です。どうぞ、お楽しみに。

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