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ふしぎな化粧 世界にあったこんな化粧

花鈿(かでん)

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ワンポイントの効果

毎朝「今日は何を着ようか」が悩みという人は多いのでは。迷ったときはつい無難になりがちで何かすっきりしないもの。
そんな時の解決法はバッグや靴、スカーフなどをちょっと色鮮やかなものに換えて、ワンポイント、アクセントを加えること。たったひとつのもので印象って変わるものです。それはメークも同じ。アイラインの描き方やリップの色をいつもと変えて、ひとつポイントをつくるだけで印象ってぐっとあがります。

トレンドは文化の中心、中国から

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三彩立女/8世紀 唐
大和文華館蔵

そんな効果を知ってか知らずか、大胆なワンポイントメークをしていた時代がありました。今から1000年以上前の中国、唐の時代。花鈿(かでん)、靨鈿(ようでん)と呼ばれる額や頬に、紅や顔料を使って丸や花、星などのモチーフをぽつんと描く化粧が行われていました。原型は唐以前からあったようですが、おしゃれとして大流行したのは唐の時代といわれています。
このポイントメークが日本に入ってきたのはおそらく7〜8世紀、飛鳥・奈良時代のこと。隋や唐に派遣した使節から大陸の文化が入ってきていた頃だと考えられます。日本人にとって当時の中国はファッションもメークも流行の最先端。宮廷女性たちは白粉を塗り紅をさし、額には花鈿、頬には靨鈿を描く憧れの唐風メークを施し、誇らしく振舞っていたのではないでしょうか。

バッチリよりニュアンス

ところで、花鈿、靨鈿は視線をくぎづけにする超強力ワンポイント。真似してみたもののアピール力が強すぎたのか、その後、日本独自の文化が育まれるとともに消えていきました。では、今どきの日本のポイントメークは? というと、目尻のアイラインをちょっとだけ跳ね上げたり、真紅のリップを使ってもべったりとは描かないというニュアンス重視。ワンポイントでも「バッチリ」より「仕込んでます」がしっくりくる、日本の感性は繊細です。
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