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ふしぎな化粧 世界にあったこんな化粧

パッチpatch・ムーシュmouche

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過ぎたるは

“つけ爪”、“つけ襟”…“つけ○○”は女性にとって便利なおしゃれアイテム。そんな“つけ○○”で、今普及率No.1は“つけまつ毛”では。目を大きく見せるため、どんどんと長く密度の濃いものに。2枚、3枚重ねや下まつ毛にも。とはいえ目だけ集中して盛っているのをみてやり過ぎでしょと思ったことありませんか。
そんな過ぎたる“つけ○○”の流行がヨーロッパにもありました。魅力づけのテクニック、つけぼくろです。

遡れば古代ローマ

つけぼくろの元祖は古代ローマと言われています。当時の記述に「たくさんのつけぼくろが彼女の美しい顔を覆った」とあるほどです。よく使われていたのは「スプレニア」と呼ばれる吹き出物を隠すための小さな丸いタイプでした。

復活、再燃、大流行

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17世紀フォンタンジュスタイルとつけぼくろの女性
「服装の歴史」/1888年

時折、ふとしたことで復活するのが流行。時代は下り16世紀末、ヨーロッパではつけぼくろブームが再燃。イギリスではパッチ、フランスではムーシュ(蠅)と呼ばれるつけぼくろ。歯痛をやわらげるためにこめかみに貼った黒い膏薬が流行のはじまりだったといわれますが、疱瘡の痕を隠すためや肌の白さを際立たせるために用いられるように。さらに、愛嬌や色っぽい風情をそえるおしゃれアイテムとして広がります。17世紀には、パッチの世紀と言われるほど男女や年齢に関係なく顔中につけることが大流行しています。

私は情熱家、私はコケット

作り方はタフタやベルベットなどの生地を星や月、十字架、馬車などさまざまな形にカット。それを顔や胸元につけました。数十個つけるなんて話もあったほど、沢山つけるのがおしゃれだった様子。つける場所によって目尻ならば「情熱家」、頬の中央は「男好き」、鼻は「恥知らず」、唇は「コケット」など裏メッセージを伝えるなんて役目もはたしていました。

本末転倒に要注意

17、18世紀には、おしゃれな人たちにとってつけぼくろは欠かせないものに。当時のある作家は「2、3のパッチをつけて着飾った私の妻は、公妃より一段と美しく見えた」とつけぼくろを大絶賛! まあ、だからって顔に星座のようにちりばめるのはちょっとやり過ぎ! 本来おしゃれとは自分が主役。強調しすぎては本末転倒に。そこだけ過剰になって悪目立ちしないのがおしゃれの鉄則と心しましょう。
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