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アルベルト・ヨナタン「TERRENE」
2017年10月7日(土)-11月5日(日)
11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで)
入場無料/会期中無休

タイトルの「TERRENE」は、ラテン語の土(terra)を語源としており、“土からきたもの”又は“土のようなもの”と定義されます。「物質と無形、世俗的と精神的など、正反対同士の間を探ることが本展の中心的な目的となる」と本人は語っています。

彼は、粘土を用いて陶磁器制作を行っており、作品全てのパーツを、雛形などを使用せずに、自らの手で制作しています。

今回、海外から高い評価を受けている陶磁器を使ったインスタレーションを中心に映像やドローイングなど、現在進行中のプロジェクトの新作を含めて約10点を展示予定です。

プロフィール
Albert Yonathan(アルベルト・ヨナタン)

2007年インドネシアのバンドン工科大学陶芸学部を卒業し、2012年にバンドン工科大学院修士課程修了。2012年より京都を拠点に活動中。

現在、京都精華大学大学院芸術研究科陶芸専攻博士課程在学中。日本をはじめインドネシア、シンガポール、タイ、イタリアなどで開催されたグループ展に参加。第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのインドネシア代表アーティストの1人として最年少で選出。個展としては、シンガポール、日本、タイ、インドネシアで開催。2017年は、国立新美術館と森美術館で開催中の東南アジアの現代アーティストのグループ展『Sunshower』に参加。

人間と粘土の関係について考えてみると、様々な探るべき側面があると思います。長い間粘土と親しんで制作していることによって、人間の精神性を映す素材として、粘土の詩的な側面も把握出来るようになりました。粘土、土、大地というものは、私たちが物質的存在であることを常に思い出させるものです。また、暗闇なくして光なし、その逆もないということを知っているように、「無形」というものがなければ、人間は「物質」という概念を発想していないのではないでしょうか。私にとっての「粘土」は先述の二つの思想を常に思い出させます。私たちの存在について知っていることは全て、粘土の中に反映されているのです。その中で、我々の身体を大地の方へ引いている重力のエネルギー、体の老化過程、そして人間の「容器」である体が、ある日また大地へ帰ることもそうなのです。

「Terrene」という言葉は、土からきたもの又は土のようなものを定義しています。日常的な存在、つまり精神的というより世俗的なものを意味します。語源の「terra」というのはラテン語では「土」の意味になります。私は「terrene」という単語には、2つの逆説の意味が込められていると思います。世俗的かつ物質的でありつつも、無形な概念の反映。物質と無形、そして世俗的と精神的という正反対の間を探ることは、本展の中心的な目的となります。

数年間、粘土やセラミックを用いて制作を続けてきたおかげで、粘土の唯一の可塑性や適応性、さらにはその全ての技法をじっくりと感じることができました。陶磁器制作では繰り返し行う過程が非常に多く、これらのプロセスは物理的現実を思い出させるものとして、世界に存在する具体的かつ身体的経験と物質性へのつながりを考えさせるのです。

この現象こそが、私が陶磁器制作の(原始的ともいえる)手作り過程を大切にしている理由のひとつです。完成されたオブジェの美しさではなく、制作過程の瞬間を、作品を通して認識し、強調していきたいと思います。現在の急速な社会発展とは対照的に、陶磁器制作における繰返し過程が解毒剤のような役目を果たしていくのではと思います。全てが速いペースで実行・成長していく脱工業化社会に対する私個人の抵抗とも言えます。

本展は、「craft practice(工芸)」の定義を探求し、拡大するという私の試みの一部です。私にとって「工芸」というのは、具体的な物質の結果や完成作品だけでなく、その制作過程も含まれます。ドローイング、ビデオ、その他のメディアを含むいくつかのセラミック・ミックス・メディアインスタレーションで構成されており、その一部の作品は、2014年と2015年から開始しているプロジェクトとなります。

アルベルト・ヨナタン

実際の展覧会の模様はこちら

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