2022年-2029年長期経営計画の基本戦略の一つである「新価値を創出し、事業の領域を拡張」では、従来の化粧品×個人というビジネスが中心であった事業領域を化粧品にとどまらずWell-beingへ、個人にとどまらず社会へと拡張していきます。
化粧品の枠を超えた新たな事業創出・事業の拡張により、Well-beingと社会的価値貢献が実現され、多くの人のQOL向上を目指します。
ポーラ・オルビスグループの従業員を対象に、年に1回社内ベンチャー制度の公募を行っています。個人の想いや感受性が新たな発想の源であると考え、個人の問題意識や意思・意欲を事業化していく仕組みとして、また変化に対応できる多様な個性を持つ人材を育成しその人材が活躍できる環境を用意しています。
ポーラ・オルビスグループでは、M&Aを通じて、事業領域の拡大や、グループ会社間でのシナジーによって、社会によりよい提案を行っていきます。
ポーラ・オルビスグループでは、コーポレートベンチャーキャピタル事業を立ち上げ、D2Cを中心としたライフスタイルを彩るブランド、美容業界の提供価値を変革するスタートアップ、当グループとのシナジー性あるスタートアップへの投資を行っています。また、親和性の高い事業は当社グループとの協業なども含め、事業領域の拡大を行っていきます。
コーポレートベンチャーキャピタル事業が投資しているトリコ株式会社を、2021年4月に完全子会社化しました。トリコは、サプリメントやフェイスマスクを一人ひとりの肌に合わせてカスタマイズし、サブスクリプションタイプで提供する「FUJIMI」ブランドを展開するベンチャー企業です。当グループの研究開発技術やエビデンスの活用のほか、生産、物流面におけるシナジーの発揮により、美の価値観の変化を的確に捉えたブランドや商品、変化への対応力、それらを実現する人的資産の獲得により、事業強化の加速を目指します。
ポーラ・オルビスホールディングスの研究機関である「MIRC; Multiple Intelligence Research Center」と「FRC; Frontier Research Center」は、2022年1月に心と体を満たすアプリ「me-fullness」の配信をスタートさせました。MIRC/FRCが「化粧品の枠を超えた価値創出」を目指して推進している新規事業プロジェクトの1つで、技術で心(mind)と体(body)=私(me)を満たすこと(fullness)を目指しています。2022年中に事業化提案を予定しており、プレマーケティングとしてBtoC向けアプリを先行市場投入したものです。経済産業省補助事業に採択され徳島市との実証試験がスタート。また、JAXAと宇宙船の中での疲労やストレス状態の把握の共同研究の検討が開始されています。
「me-fullness」は、 疲労・ストレス課題を抱える人の心と体を満たすアプリです。
主な機能
- 顔・肌から自身の疲労・ストレス状態をいつでもどこでも可視化※1
- 最適な五感体験※2を通じて、即時でセルフケア
- 日常のシーンに合わせて、なりたい状態※3を実現
- ※1ポーラ化成工業が長年培った肌分析技術を応用
- ※2化粧品の触感研究を基に構築した独自の心拍様振動、さらに音楽、声、アート画像、およびそれらを組み合わせたコンテンツ
- ※3「心身の解放」、「シャキッと切り替え」、「気負わずショートブレイク」、「思考をクールダウン」など
2019年にスポンサー賞を受賞した内閣府主催「宇宙ビジネスアイデアコンテスト」から派生した事業化検討「美肌ウェルネスツーリズム」では、美意識のある旅行に関心の高い女性をメインターゲットとして、ポーラ・オルビスグループの保有する肌や体調に関する知見、衛星データとのマッチング解析結果を活用し、パーソナライズで学習価値の高い、美容、温泉、食、睡眠、感受性コンテンツ(文化・芸術等)を提供していきます。
その地域ならではの観光資源や専門家との出会いを、美肌ウェルネスのコンセプトで裏打ちし、心身ともに美しく元気になれる、また、帰宅後もライフスタイルの変革につなげられるツーリズムを提案します。
同時に観光資源の活用を通じて地域創生の支援を目指します。地域の事業者と対話を重ね、新たなコンテンツ開発を行っていきます。現在、第一弾となるツーリズム対象候補地を島根県に設定し、島根県観光振興課・島根県観光連盟と連携しながら事業化に向けた検討を進めています。
2022年は、ツーリズムの本格催行と、ポータルサイト等による情報発信・美肌ウェルネス商品の販売を展開していく予定です。
社内ベンチャー制度から、2020年5月、「がんサバイバー(経験者)向けのビューティー事業」を展開する新会社encyclo(エンサイクロ)が誕生。
ポーラ商品企画部で働いていた時に子宮頸がんを経験し、いまも後遺症のリンパ浮腫を抱える水田悠子と、ポーラにて「がん治療と就労の両立支援」を立ち上げた齋藤明子の2人で創業しました。
encycloが最初に取組んだのは、水田自身の経験を活かした「医療用弾性ストッキング」の開発です。
リンパ浮腫は、多くが婦人科がんや乳がんの後遺症であり、一度、発症すると弾性ストッキング等を常に着用しなければなりません。
同社では、【病を経験しても美しくありたい】という気持ちを応援すべく「ケアと美しさの両立」を目指し、「MAEÉコンプレッションシリーズ(医療用弾性ストッキング)」を開発。2020年12月より自社ECサイトで販売するとともに、全国の医療機関でも採用され、当事者からの「このような商品を望んでいた」という喜びの声だけでなく、医療関係者からも「患者視点の入った新たな医療機器でありQOLを高める」など高い評価をいただいております。