展覧会

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束芋「透明な歪み」
2019年4月26日(金)-6月2日(日)
11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで)
入場無料/会期中無休

束芋は2016年シアトル美術館で、美術館の所蔵品とそれを基に制作した映像インスタレーション作品を一緒に展示する企画を行いました。その後、それらの作品は別の展覧会でも展示され、オリジナルと自身の作品を切り離して展示したことをきっかけに、作品とオリジナルを分けることで、オリジナルに囚われない自由さや可能性が作品に出てくるのではないかと考えるようになりました。
本展では、新作アニメーション作品と、自身初の試みである油絵を含む、約10点を展示予定です。
作品には全て原作が存在しますが、それはあえて公開せず、鑑賞者は自由な発想で各々違った角度で見ることを楽しんでいただければ幸いです。

プロフィール
束芋(たばいも)

現代美術作家
1975年生まれ。1999年京都造形芸術大学卒業制作としてアニメーションを用いたインスタレーション作品「にっぽんの台所」を発表、同作品でキリン・コンテンポラリー・アワード最優秀作品賞受賞。
以後2001年第1回横浜トリエンナーレを皮切りに、2011年には第54回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される等、数々の国際展に出品、注目を集める。
主な個展に「ヨロヨロン」(2006/原美術館、東京)、「TABAIMO」(2007/カルティエ現代美術財団、パリ)、「断面の世代」(2009/横浜美術館、2010/国立国際美術館、大阪)、「MEKURUMEKU」(2014/MCAオーストラリア、シドニー)、「UtsutsushiUtsushi」(2016/シアトル美術館、シアトル)、「Her Room」(2016/サンノゼ現代美術館 / サンノゼ、アメリカ)、「Hammer Projects: Tabaimo」(2017/ハマー美術館、ロサンゼルス)など。
近年は舞台でのコラボレーションも展開、2012年浜離宮朝日ホール20周年記念コンサートでピアニスト、パスカル・ロジェとの音楽と映像のコラボレーション、2013年に杉本博司脚本・演出の人形浄瑠璃『曾根崎心中』へのアニメーション参画、2016年には自身が構成・演出を手がけた映像芝居「錆からでた実」を発表。同作品は2020年2月よりアメリカツアーを予定。長野県在住。

ここ数年、多く取り組んできた小説の挿絵や作品の写し。
原作からインスピレーションを受けて描く挿絵や、オリジナル作品を自分の解釈で再制作するような 写しという行為によって生まれた私の作品には常に「歪み」がある。
それは、原作者と私の違いや、原作に対する誤解、私の独断的な解釈から生まれるもの。
「歪み」というのは歪んでいない正しい形と見比べなければわからない。
私の作品は原作とともにあることで、私特有の歪みを見出してもらえるはずで、
だから今まで、共にあることを最もいい状態だと考えてきた。
いわば歪みは、原作と私の作品をつなげている道と言える。

今まで大切にしてきた原作との関係を絶ってみる。
歪みをできるだけ透明にし、道を遡れなくする。
そうしたら、私の作品は一本足で立っていることができるのだろうか。

今回、展示する各作品には、元々、私とは無関係な原作が存在する。
原作それぞれは、人々に愛されて歴史とともに残ってきたものや、
多くの人の目に触れられてきた偉大な小説などで、
原作そのものが確固たる存在感を持つ。
原作から自身の作品への展開を隠し、歪みを見えなくする。
しかし、その歪みはそこに存在しなくなるのではなく、
透明な歪みとして、確実にそこに在る。
その透明な歪みも含めて作品化することが唯一、原作から切り離せる方法であり、
その透明な歪みが他の何かと繋がる道を作って初めて、新たな作品として、
そこに立っていられるものとなるだろう。

束芋

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